格安SIMを契約していて、海外で携帯電話は利用できるか気になる方に向けてこの記事を書きました。
結論からいうと、格安SIMでも海外で携帯電話を使用できます。具体的には「国際ローミング」と呼ばれる仕組みを利用すれば、海外でも格安SIMの携帯電話は使用可能です。
しかし、国際ローミングを使用する場合、注意しておく点がいくつかあります。何も考えずに利用していると、高額請求などのトラブルが発生してしまいますよ。
今回の記事では以下の項目を解説しています。
- 国際ローミングとは
- 海外で格安SIMのローミングを行う際の注意点
- 設定方法
- 国際ローミング以外で携帯を利用する方法
今回の記事を読んで国際ローミングの適切な利用方法を把握すれば、金銭面でのトラブルを避けられますよ。サクッと読めるので、是非参考にしてみてください。
Contents
国際ローミングとは?
「そもそも国際ローミングって何?」という方に向けて、まずは仕組みを解説しますね。
国際ローミングとは、国内で契約している携帯電話を海外で使用する仕組みです。海外では日本の携帯会社の電波は飛んでいないので、国際ローミングを利用しなければ携帯電話は使えません。
ローミングは、日本の携帯会社が現地の携帯会社回線の一部を借りています。海外の会社と日本の会社が協力することで、現地の電波が使えるんですね。
国際ローミングは音声通話とデータ通信の2種類に分かれている点もポイントの1つです。電話をかける場合のローミングと、ネットを利用する場合のローミングを分けておかないとトラブルの元となるので是非抑えておきましょう。
難しく考える必要はないので、国際ローミングは海外で携帯を使用するための仕組みで、通話とデータ通信は別々で考える必要があると把握しておけばOKです。
海外で格安SIMのローミングを利用するときの注意点
海外で格安SIMのローミングを利用する場合、注意しておく点が4つあります。
- 通信料金が割高になる
- 電話を受信した場合でも料金が発生する
- 基本的にデータ通信の利用はできない
- ローミングに対応していない端末や回線がある
詳細は以下をご覧ください。
【格安SIMのローミング注意点1】通信料金が割高になる
格安SIMのローミング注意点その1は、通信料金が割高になる点です。ローミングによる高額請求は特に多いトラブルなので注意してください。
ローミングサービスを提供している会社は、基本的に「従量課金制」で請求する料金を決めています。従量課金制とは使用した分だけ料金が上乗せされる仕組みです。
会社や使用する国ごとに料金はことなります。
近年はローミングによる高額請求のトラブルを避けるために、使用料金に上限を設けている場合がほとんど。音声通話であれば2万円、データ通信であれば5万円の上限が一般的ですね。
ローミング中はLINEなどの無料の音声通話アプリでも、データ通信が発生するため別途料金が発生します。
海外でローミングを行う際は自動でデータ通信を行ってしまうものは通信を行わないように設定しておき、極力ネットや電話は使用しないのが賢明です。高額請求に注意しましょう。
【格安SIMのローミング注意点2】電話を受信した場合でも料金が発生する
格安SIMのローミング注意点その2は、電話を受信した場合でも料金が発生するという点です。これは注意点1の高額請求のトラブルとも関連してきます。
通常、国内での通話であれば発信者が電話料金を負担しますよね。しかし、ローミング中は受信者も料金が発生します。
料金が発生するのはあくまで国際ローミングを利用している方です。日本国内にいる方がローミング中の方から電話を受信した場合、別途料金は発生しません。
国際ローミングの使用者は発信も受信も料金が発生するので注意しましょう。
【格安SIMのローミング注意点3】データ通信ができない
格安SIMのローミングではデータ通信が基本的に行えないため、ネットの利用ができません。言い変えると、格安SIMは音声通話のみもしくは音声通話とSMSのみに対応している場合がほとんどです。
大手キャリアであれば、データ通信も問題なく行えます。もし、海外でデータ通信を利用したいのであれば格安SIMの利用は避けたほうがよいでしょう。
このように述べると「格安SIMでネットを利用する方法はないのかな」と思う方もいるでしょう。あくまでデータ通信が利用できないというだけで、格安SIMであっても工夫すればネットの利用は可能です。
利用方法に関しては後程の章で解説しています。
【格安SIMのローミング注意点4】ローミングに対応していない回線や端末がある
格安SIMのローミング注意点その4はローミングに対応していない回線や端末がある点です。実は、携帯会社がローミング可能としていても、訪れる国や端末の組み合わせによっては使用ができません。
国ごと端末ごとに、ローミングに対応しているかどうかは以下のサイトで確認可能です。サイト内で、ローミングにかかる料金もチェックできます。
docomo回線 | https://www.nttdocomo.co.jp/service/world/roaming/area/ |
au回線 | https://www.au.com/mobile/service/global/au-world-service/ |
ソフトバンクのサイトが存在しないのは、ソフトバンク系の回線は国際ローミングに対応していないからです。
そもそも海外での使用に最初から対応していないスマホも存在するので、現在使用している端末がローミング可能なのか、事前にチェックしておく必要があります。
海外で国際ローミングをするときの設定方法
次に国際ローミングを利用する際の設定方法を解説します。
iPhone・iPadでローミングを使用する場合と、android端末でローミングを利用する場合に分けているので利用する端末の方をチェックしてみてください。
iPhone・iPad
1.設定を開く
2.モバイル通信を選択する
3.通信オプションをクリック
4.データローミングをオンにする
Android端末
1.ホーム画面から設定をタップ
2. 無線とネットワークをタップ
3.モバイルネットワークをタップ
4.データローミングをタップしOKする
ローミング以外で海外でスマホを使用する方法は?
これまでローミングを用いて海外でスマホを使用する方法を解説してきました。じつは、ローミング以外の方法も存在します。
具体的には以下3つのやり方で、海外でのスマホの利用が可能です。
- 現地対応のSIMを利用する
- 現地のWiFiを利用する
- ポケットWiFIを利用する
詳細は以下をご覧ください。
【ローミング以外のスマホ利用法1】現地対応のSIMを利用する
ローミング以外のスマホ利用法その1は現地対応のSIMを購入することです。現地の回線を利用するので、ローミングの必要性がなくなります。
対応しているSIMはAmazonなどのネットショップで購入可能なので、出国前に準備できます。万が一用意し忘れても、空港などで対応しているSIMカードが販売されていることも多いです。
また、プリペイドのSIMであれば事前に料金を支払う形で使用できるので、後から高額の請求がくることもありません。料金も比較的安く抑えられます。
ただし、注意点が3つ。
- 利用する端末がSIMフリーでないと使えない
- 電話番号が変わる
- 現地の言葉で書いてあるので設定が不便
大手キャリアが提供している端末にはSIMロックがかけられていることがほとんど。事前にSIMのロックを解除しないと現地のSIMは使えません。
また、現地のSIMカードを利用している間は電話番号が変わります。SIMを交換する前に、連絡を取りたい人に番号を伝えておく必要がありますね。
なお、細かい設定が必要な場合は、現地の言葉で説明書が書いてあるので不便です。
【ローミング以外のスマホ利用法2】現地のWiFiを利用する
ローミング以外のスマホ利用法2つ目は現地のWiFiを利用する方法です。ネットの利用のみになりますが、特に料金もかからないですし特別な手続きも不要なので気軽に利用できます。
日本でもフリーで利用できるWiFiスポットがありますよね。海外でも同じ要領でWiFiが利用できます。
ネットの利用に関してはWiFiを利用したほうが安上がりなので、是非抑えておきましょう。
【ローミング以外のスマホ利用法3】ポケットWiFiを使用する
ローミング以外のスマホ利用法その3はポケットWiFiを利用することです。WiFiスポットは利用できる場所が限定的ですが、ポケットWiFiを利用すればより広範囲で自由にネットの利用ができます。
国内で海外での利用に対応しているルーターを持ち運ぶのもアリですし、渡航者向けに空港などでルーターを取り扱っている場合もあります。
細かい設定もいらず、定額なので、利用を検討してみてください。
海外でのローミングに対応している格安SIMは?
ここからは国際ローミングに対応している格安SIMを3つ紹介します。
- Rakuten Mobile
- Y!mobile
- IIJmio
詳細は以下をご覧ください。
Rakuten Mobile
Rakuten Mobileは通話SIMプランがローミングに対応しています。通話プランの料金表は以下のとおりです。
ベーシックプラン | 1250円 |
3.1GBプラン | 1600円 |
5GBプラン | 2150円 |
10GBプラン | 2960円 |
20GBプラン | 4750円 |
30GBプラン | 6150円 |
上記の料金にプラスして、従量課金制により別途ローミング料金がかかります。
申し込み方法は、公式ホームページの「メンバーズステーション」から「音声付加サービス」という項目を選択し、申し込み可能です。
残念ながらデータ通信には対応していません。データ通信を利用したい方はポケットWiFiか現地のポケットWiFiを利用しましょう。
Rakuten Mobileは契約期間に縛りがなく、解除の際にも解除料金がかからないので是非利用を検討してみてください。
Y!mobile
Y!mobileも通話プランがローミング可能です。他のプランはローミング対象外なので注意しましょう。料金は以下のとおりです。
Sプラン(3GB) | 2680円 |
Mプラン(9GB) | 3680円 |
Rプラン(14GB) | 4680円 |
ローミングはMY Y!mobileから申し込み可能です。ただし、利用には機種を同時に購入しておく必要があるため、現在利用している端末を利用したい方には向いていない。これから新規契約で端末を購入する方にはオススメできます。
Y!mobileの特徴はデータ通信が使用可能で、なおかつ海外のパケットし放題プランがある点。料金は以下のようになっています。
- 25MBまで:0円~1980円/日
- 25MB以上:2980円/日
通常のパケット通信料は1KBあたり2円となっています。
格安SIMでデータ通信のローミングを利用したいのであれば、Y!mobileを検討してみましょう。
IIJmio
IIJmioは音声通話機能付きSIMでローミングが可能です。料金は以下のとおり。
ミニマムスタートプラン(3GB) | 1600円 |
ライトスタートプラン(6GB) | 2220円 |
ファミリーシェアプラン(12GB) | 2260円 |
IIJmioの特徴はローミングに際して特別な手続きが必要ない点。ただし、データ通信は利用はできません。
また、IIJmioは最低利用期間が利用開始月の翌月末までと短め。利用開始から12カ月以内に解除した場合解除料金がかかってしまいますが、料金は1000円なので、契約期間の縛りを気にする必要はほぼありません。
音声通話のみ利用できればOKという方であれば、IIJmioの利用がオススメですね。