格安SIMの利用を検討している方々、もしかして下記の不安をお持ちではないですか?
- 格安SIMの通話品質は悪い?
- 格安SIMで不自由なく通話をすることはできるのか
- 格安SIMで通話をしたら途中で途切れたりするのではないか
さっそく結論から申し上げると、電話回線を使用した場合、格安SIMでも通話品質は問題ありません。
ただしプレフィックスやネット回線を使った場合は、通話品質が落ちる場合があります。
本記事では、格安SIMの通話品質の基礎知識だけでなく、主な格安SIMを「かけ放題プラン」や「使用電話回線」で比較しました。
格安SIMの利用を検討している方はぜひ参考にしてください。
Contents
通話品質を決める?格安SIMを提供するMVNOとは?

格安SIMの通話品質について知る前に、まず知っておきたいことがあります。
ここでは、格安SIMの通話品質について知るときの基礎知識「MVNO」についてみていきましょう。
MVNOとは?
MVNOとは「Mobile Virtual Network Operator」の略で、日本語では「仮想移動体通信事業者」と訳されています。
簡単に言ってしまえば、MVNOはNTTドコモなどの携帯電話会社から通信回線を借り、通信サービス料金の安い「格安SIM」を提供している業者のこと。
ちなみに、厳密にはMVNOは直接携帯電話会社から回線を借りている訳ではないのですが、ざっくり理解するには「格安SIMを提供している会社」という理解でOKです。
例えばMVNOには
- OCNモバイルONE
- UQモバイル
- mineo
- LINEモバイル
- DMMモバイル
- BIGLOBEモバイル
などがあり、非常に手軽な料金で顧客に格安SIMを提供しています。
MVNOと大手キャリアの違いは?
MVNOに回線を貸し出している
- NTTドコモ
- au
- ソフトバンク
の3つの携帯電話会社のことをMVNOに対し「MNO(Mobile Network Operator=移動体通信事業者)」と言います。
MNOは通信回線網を自社で設置し運用することで独自に通信サービスを提供。
MVNO=Mobile Virtual Network Operator=仮想移動体通信事業者
通信を借りて格安SIMを提供する事業者のこと
MNO=Mobile Network Operator=移動体通信事業者
docomo、au、ソフトバンクのこと
MVNE=Mobile Virtual Network Enabler=仮想移動体サービス提供者
MVNOとMNOを仲介する提供者のこと
格安SIMの通話品質は3種類の通話方法で決まる!

格安SIMを使った通話は以下の3種類。
- 電話回線を使う
- プレフィックスを使う
- ネット回線を使う
ここでは格安SIMの3種類の通話方法とそれぞれの通話品質についてご紹介します。
通話方法 | 通話品質 |
電話回線 | ◎、回線も安定している |
プレフィックス | ○、回線はやや不安定 |
ネット回線 | △、回線は通信状態に左右される |
電話回線の通話品質は◎
格安SIMを提供するMVNOはMNO(携帯電話会社)から通信を借りて、その回線を顧客に提供しています。
つまり、携帯電話会社から借りた回線でそのまま通話を行う場合、通話品質は携帯電話会社と比較しても遜色ありません。
携帯電話会社の電話回線を使う携帯電話番号は「090」または「080」から始まっているのが特徴。
格安SIMの場合は「音声SIMプラン」を選ぶことで電話回線を利用することができます。
プレフィックスを使った通話品質は○
格安SIMでは「プレフィックス通話」という通話方法もあります。
プレフィックス通話とは、 通常の回線ではなく特別な回線を利用することで電話の通話料金を安く済ませることができるサービス。
通話品質は電話回線と変わりありませんが、回線の安定性がやや弱いです。
それぞれの電話番号の頭に、業者ごとに決められた特定の番号をつけ認識し、電話回線とは異なる回線経路をたどることでリーズナブルに電話回線を使用することができます。
プレフィックスはアプリを使うことで、自動的に番号をつけて通話ができます。
格安SIMでアプリをインストールすることで簡単に使うことが可能です。
注意点としては、プレフィックスは基本的にフリーダイヤルや緊急通報など一部の相手に使うことができません。
インターネット回線を使った通話品質は△
格安SIMではインターネット回線を使って通話をすることもできますが、通話品質としては良いとは言えません。
ネット電話とはLINEやSkypeなどを使って行う通話のことです。
しかし、ネット回線を使った通話はネットの通信状況に通話品質が左右されてしまいますので、通話品質はやや低め。
通信状況によっては通話中に途切れてしまうこともありますし、通話量が多いと格安SIMの契約通信量を超えてしまうこともあります。
格安SIMの通話品質をかけ放題プランで比較
ここでは
- Y!mobile
- UQモバイル
- 楽天モバイル
- U-mobile
- LINEモバイル
を「かけ放題プラン」で比較してみます。
格安SIM | かけ放題料金(月額) | 契約手数料 |
Y!mobile | 無料 (1回10分までかけ放題) |
3,000円 |
UQモバイル | 無料 (1回5分までかけ放題) |
3,000円 |
楽天モバイル | 無料 (1回10分までかけ放題) |
3,000円 |
U-mobile | 3分50回かけ放題 : 500円 | 3,000円 |
LINEモバイル | 10分かけ放題 : 880円 | 3,000円 |
Y!mobile
Y!mobileは格安SIMの全てのプランで、1回10分まで通話かけ放題となっています。
1回10分を超えた場合の通話料金は30秒につき20円です。
留守番電話に繋がってしまった場合や、着信転送サービスに繋がってしまった場合は、通話料金がかかりますので注意が必要。
Y!mobileは全てのプランでかけ放題が利用できますので、データ通信も通話もたっぷり行いたい方は、迷わずY!mobileを選びましょう。
UQモバイル
- プランS(月最大3GB)
- プランM(月最大9GB)
- プランL(月最大21GB)
のプランに1回5分まで国内通話が無料の「かけ放題の特典」がついています。
1回5分を超えた場合の通話料金は30秒につき20円。
また、「増量オプション」というオプションを月500円でつけることで、無料通話が最大60分まで無料になります。
格安SIMでなるべくお得に長時間通話をしたいという方にはUQモバイルがおすすめです。
楽天モバイル
楽天モバイルは「スーパー放題」という料金プランで、1回10分まで無料でかけ放題を利用することができます。
1回10分を超えた場合の通話料金は30秒につき10円と、かけ放題の時間を超過した時の料金が他社よりも安いのも特徴。
万が一10分を超えてしまってもなるべく安く抑えたい、という方は楽天モバイルなら30秒10円とリーズナブルです。
U-mobile
U-mobileは、月額500円のオプションをつけることで3分以下の通話が50回までかけ放題になります。
「3分50回」を超えてしまっても「U-CALL」という電話アプリを使って通話をすれば、通常30秒20円の通話料が、30秒10円と半額に。
「U-CALL」は通話品質もクリアですので、リーズナブルな価格で高い通話品質を保ちたい方は、U-mobileがおすすめです。
LINEモバイル
LINEモバイルは月額880円の「10分電話かけ放題」というオプションをつけることで、10分以下の電話がかけ放題になります。
10分を超えた場合は30秒10円を支払うことで延長も可能。
LINEモバイルのかけ放題は「いつでも電話」と呼ばれる電話アプリを通して行うのですが、このアプリを使わずに電話をすると料金がかかってしまいますので注意しましょう。
オプションに入らずに30秒10円で通話をするプランもありますが、月に44分以上通話をしたい方は「10分電話かけ放題」にした方がお得です。
LINEモバイルは他社に比べてキャンペーンも頻繁に行っていますので、キャンペーンの充実度で選びたい方はLINEモバイルをチェックしてみましょう。
格安SIMの通話品質を使用通話回線で比較

ここでは
- Y!mobile
- UQモバイル
- 楽天モバイル
- U-mobile
- LINEモバイル
を「使用通話回線」で比較してみます。
格安SIM | 使用通話回線 | 通話品質 |
Y!mobile | ソフトバンク | ◎ (一部自社回線も使用) |
UQモバイル | au | ◎ |
楽天モバイル | au、ドコモ | ◎ (楽天回線も導入予定) |
U-mobile | ドコモ | ◎ |
LINEモバイル | au、docomo、ソフトバンク | ◎ |
Y!mobile
電話回線を使って通話をする場合、Y!mobileはソフトバンクの回線と自社回線を使用しています。
ソフトバンクは山間部などでも強力なネットワークを確立していますので、都市部以外でも繋がりやすいです。
さらにY!mobileは自社回線も所有していますので、電話回線通話の安定性を重視したい方におすすめです。
UQモバイル
電話回線を使って通話をする場合、UQモバイルはauの回線を使用しています。
auは3大キャリアの中でもエリアカバー率が高いですので、日本中幅広い範囲で通話が可能です。
UQモバイルは電話回線だけでなく通信も安定していますので、通信の安定性も重視したい方はUQモバイルをチェックしましょう。
楽天モバイル
電話回線を使って通話をする場合、楽天モバイルはauとドコモの回線を使用しています。
しかし2019年10月より「楽天回線」という新たな回線を用いた携帯キャリアサービスを開始しました。
まだ全てのプランに適応されていませんが、楽天回線を使用したプランは拡大予定です。
(詳しくは「楽天回線への移行について」をご覧ください)
U-mobile
電話回線を使って通話をする場合、U-mobileはドコモの回線を使用しています。
ドコモは人口カバー率100%を達成。
電話回線の繋がりやすさは抜群です。
ドコモは回線事業に関して実績と安定性がありますので、地方に電話をかけることが多い方はU-mobileを選ぶと良質な通話品質を保つことができます。
LINEモバイル
LINEモバイルはau・docomo・ソフトバンクから好きな回線を選んで契約することができます。
それぞれの回線を選んだ場合の特典は「LINEモバイル 回線ごとのサービス比較」で確認してください。
使用状況によって回線を選ぶことができますので、自由に回線を選びたい方は迷わずLINEモバイルを選びましょう。
格安SIMの通話品質が悪い・繋がらないときの解決法
格安SIMで通話中に通話品質が悪い・繋がらない時は下記の方法を試してみましょう。
- 通話アプリを利用する
- モバイルデータ通信を確認
- SIMカードを挿し直す
さっそく詳しく解説していきます。
通話品質が悪い時 : 通話アプリを利用する
格安SIMで通話中、通話品質が悪ければ通話アプリを利用しましょう。
楽天モバイルやU-mobileは「楽天でんわ」や「U-CALL」などの自社専用電話アプリを所有していますが、それらの通話品質が良くない場合は、他の電話アプリを使うのもおすすめ。
ネット電話の中でもLINEやSkypeは通話品質が比較的良いです。
例えば他にもiPhoneの「FaceTime」は通話品質が良いと評判ですし、雑音をカットする機能がついている「SkyPone」も通話品質が良質。
いくつか電話アプリをインストールしておき、状況によって使い分けることで通話品質を高めに保つことができるようになります。
通話ができないとき : モバイルデータ通信を確認
格安SIMで通話中、通話が繋がらなければ、モバイルデータ通信がオフになっていないか確認してみましょう。
モバイルデータ通信がオフになっていると、格安SIMで通話をすることはできません。
モバイルデータ通信とは契約会社が提供する回線での通信を「オン」「オフ」に切り替えることができる設定です。
モバイルデータ通信がオンになると契約会社の回線が使用可能。
一方オフにすると契約回線の使用がストップし、オフの時にできるのは「WiFi環境下のみでの使用」です。
格安SIMで通話ができない時は、モバイルデータ通信をチェックしてみてください。
通話ができないとき : SIMカードを挿し直す
格安SIMでの通話品質が悪い、もしくは繋がらない時はSIMカードを挿し直してみましょう。
SIMカードがうまく挿入されていないと通話をすることができません。
例えば端末をうっかり落としてしまった時など、一見問題がないように見えても、SIMカードがずれてしまったりすることも。
格安SIMで通話ができない時は、SIMカードをもう一度入れ直してみてください。
電話回線を使うなら格安SIMの通話品質は問題なし
最後に本記事の内容を簡単にまとめておきましょう。
- 電話回線の場合通話品質はキャリア通話と比べて遜色なし
- MVNO=通信を借りて格安SIMを提供する事業者のこと
- MNO=docomo、au、ソフトバンクのこと
- MVNE=MVNOとMNOを仲介する提供者のこと
- 格安SIMの通話方法は「電話回線」「プレフィックス」「ネット回線」
- 格安SIMで通話品質が悪いor繋がらない時は「アプリ使用」「モバイルデータ通信確認」「SIMカードを入れ直す」
格安SIMは電話回線を使えば、キャリア通話と同じくらい良質な品質で通話ができます。
格安SIMによって「かけ放題プラン」の内容や使用回線が異なりますので、ぜひ本記事を参考に最適な格安SIMを選んでみてください。