「格安SIMに乗り換えたら、月々のスマホ料金は安くなるけど、通話料が高くなる」
格安SIMへの乗り換えを検討している人のなかには、このように思っている方も多いかもしれません。
しかし、格安SIMの各事業者では「かけ放題」のオプションを提供しています。
このなかには、時間制限なしのかけ放題があるところも。
こうしたところと契約すれば、通話をよくするという方でも安心です。
今回は、かけ放題がある格安SIM事業者を挙げたうえで、それらを比較し、最もお得なところはどこかを紹介。
通話料込みでスマホを安く使いたいという方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
格安SIMのかけ放題には2種類ある
格安SIMのかけ放題は、以下の2種類に分けられます。
- 時間制限なし
- 時間制限あり
ここでは、それぞれについて説明していきます。
1.時間制限なしのかけ放題
時間制限なしのかけ放題では、24時間365日、いつ電話をかけても国内での通話料が無料に。
時間制限なしのかけ放題がある事業者については、後ほど紹介します。
2.時間制限ありのかけ放題
- 10分かけ放題
- 月60分かけ放題
「10分かけ放題」では、一回の通話時間が10分以内なら、何回かけても通話料が無料になります。
「月60分かけ放題」は、月間トータルで60分まで、通話料がかかりません。
多くの事業者では、このうち10分かけ放題を採用しています。
10分かけ放題がある事業者についても、後ほど紹介していきましょう。
格安SIMのかけ放題・3つの通話方式
かけ放題がつけられる格安SIM事業者を紹介する前に、通話品質についても説明しておきましょう。
各格安SIM事業者では、それぞれ別の通話方式をとっており、どれを採用しているかによって通話の品質が異なります。
通話方式の種類3つと、それぞれの品質は以下のとおりです。
通話品質 | |
通常の電話回線 | ☆☆☆ |
プレフィックス | ☆☆ |
IP電話 | ☆ |
ここでは、それぞれの通話方式と通話品質について説明していきます。
1.通常の電話回線
通常の電話回線は、「ドコモ」や「au」「ソフトバンク」の大手キャリアの通話に使われているのと同じ回線です。
通話品質は、3つの方式のなかで最も良くなっています。
2.プレフィックス
「プレフィックス」とは、電話の発信時、電話番号の前に付ける特定の数字のこと。
プレフィックスを付けることで、通常より安い料金での通話が可能です。
例えば「楽天モバイル」では、電話番号の頭に「0037-68-」を付けることで、通常の電話回線とは異なる安い回線につなげて、電話をかけています。
電話のたびに番号を打ち込むのは面倒だと思うでしょうが、その点は心配ありません。
なぜならプレフィックスを採用している格安SIM事業者には、通話用のスマホアプリがあるからです。
ただし通話品質は、通常の電話回線に比べるとやや低くなるのがデメリットです。
3.IP電話
「IP電話」とは、インターネット回線を使った電話のこと。
IP電話は料金が安いのがメリットですが、音質に劣るのがデメリット。
ネットの通信状況が悪くなれば、通話が途切れてしまう点も注意が必要です。
時間制限なしのかけ放題がつけられる格安SIM事業者4社
通話品質について分かったところで、いよいよ時間制限なしのかけ放題がある格安SIM事業者を紹介していきましょう。
2019年12月時点で、時間制限なしのかけ放題がある事業者は以下の4社です。
- UQ mobile
- Y!mobile
- イオンモバイル
- QTモバイル
ここでは、各社の特徴について紹介していきましょう。
1.UQモバイル
「UQモバイル」では、2019年12月18日から、「国内通話かけ放題」のサービスがスタートしました。
月額利用料と通話品質は、以下のとおりです。
月額利用料 | 1,700円 |
通話品質 | ☆☆☆ |
UQモバイルでは通常の電話回線を使っているため、通話品質は最高の☆3つです。
2.Y!mobile(ワイ・モバイル)
「Y!mobile」では、「スーパーだれとでも定額」をつけることで、時間制限なしのかけ放題を利用できます。
スーパーだれとでも定額の月額利用料と、通話品質は以下のとおり。
月額利用料 | 1,000円 |
通話品質 | ☆☆☆ |
スーパーだれとでも定額の月額利用料は、たったの1,000円。
通常の電話回線を使っているので、通話品質も☆3つです。
3.イオンモバイル
「イオンモバイル」では、「050かけ放題」がつけられます。
月額利用料と通話品質は、以下のとおりです。
月額利用料 | 1,500円 |
通話品質 | ☆ |
イオンモバイルの「050かけ放題」の月額利用料は、1,500円です。
ただしIP電話を採用しているため、通話品質はあまり期待できません。
4.QTモバイル
「QTモバイル」には、「無制限かけ放題」があります。
こちらの月額利用料と通話品質は、以下のとおり。
月額利用料 | 2,500円 |
通話品質 | ☆☆ |
QTモバイルの「無制限かけ放題」の月額利用料は2,500円と、他の3社に比べて高額です。
また、プレフィックスを採用しているので、通話品質はUQモバイルやY!mobileに比べて、やや劣ります。
最安は?時間制限なしのかけ放題がある格安SIM事業者4社を比較
ここまで、時間制限なしのかけ放題がある格安SIM事業者を紹介してきました。
では、データ通信の使用も含めて一番お得なのはどこなのでしょうか?
以下は、各事業者の月間のデータ容量ごとの月額に、かけ放題をつけた総額の比較表です。
通話 品質 |
1GB | 3GB | 6GB | 9GB | 12GB | 14GB | |
UQモバイル | ☆☆☆ | ー | 3,680 円 |
ー | 4,680 円 |
ー | 5,680 円 |
Y!mobile | ☆☆☆ | ー | 3,680 円 |
ー | 4,680 円 |
ー | 5,680 円 |
イオン モバイル |
☆ | 1,980 円 |
ー | 2,980 円 |
ー | 4,180円 | ー |
QTモバイル | ☆☆ | 3,950 円 |
4,050 円 |
4,750 円 |
ー | ー | ー |
※各事業者とも、時間制限なしのかけ放題がつけられるプランの通常料金を記載
ここではこの比較表をもとに、安さで選びたい人と通話品質を重視したい人、それぞれのおすすめについて紹介していきます。
1.安さ第一の方におすすめなのはイオンモバイル!
プレフィックスのかけ放題を使うには、基本的に「データ通信+音声通話」のプランで契約しなければなりません。
しかしIP電話を採用しているイオンモバイルの050かけ放題なら、データ通信+音声通話より安価な「データ通信のみ」のプランでも利用できます。
イオンモバイルのデータ通信のみのプランなら、12GBのプランでも、UQモバイルやY!mobileの9GBプランより、「基本プラン+かけ放題」の合計月額が安価です。
2.通話品質にこだわりたい方はY!mobileがおすすめ!
Y!mobileとUQモバイルはどの容量でも、基本プラン+かけ放題の合計月額が同額で、通話品質も変わりません。
しかしY!mobileは、契約から6カ月間の月額が、上記の表に記載されている通常料金より700円安くなっています。
さらに最初の1年間は、月間のデータ容量を以下の容量に増量可能です。
- 3GB→4GB
- 9GB→12GB
- 14GB→17GB
そのため、Y!mobileと契約した方がずっとお得です。
10分かけ放題がある格安SIM事業者
10分以上の電話をしないのなら、時間制限なしよりも、10分かけ放題の方が月額利用料を抑えられます。
ここでは、月々のスマホ料金を抑えたいという人向けに、10分かけ放題のある格安SIM事業者についても見ていきましょう。
10分かけ放題がある格安SIM事業者は、以下の2種類に分けられます。
- かけ放題が最初からついているもの
- かけ放題がオプションとしてつけられるもの
ここでは、この両者について紹介していきます。
1.10分かけ放題が最初からついている格安SIM事業者
これに該当するのは、以下の2社です。
- 楽天モバイル
- Y!mobile
ここでは、この両者について紹介していきます。
①楽天モバイル
「楽天モバイル」の「スーパーホーダイ」には、以下の4プラン全てに10分かけ放題がついています。
月間のデータ容量 | 月額料金 | |
プランS | 2GB | 2,980円 |
プランM | 6GB | 3,980円 |
プランL | 14GB | 5,980円 |
プランLL | 24GB | 6,980円 |
楽天会員なら、契約1年目の月額が、どのプランでも上記の料金-1,500円になります。
楽天モバイルでは、通話にプレフィックスを採用しているため、通話品質は☆2つです。
②Y!mobile
Y!mobileの「スマホベーシックプラン」には、以下3つのプラン全てに10分かけ放題がついています。
月間のデータ容量 | 月額料金 | |
S | 3GB | 2,680円 |
M | 9GB | 3,680円 |
R | 14GB | 4,680円 |
契約から6カ月間の月額は、上記の料金-700円。
さらに契約1年目は、月間のデータ容量を「S」は+1GB、「M」と「L」は+3GB増量できます。
通話品質は、☆3つです。
2.10分かけ放題をオプションとしてつけられる格安SIM事業者
続けて、10分かけ放題をオプションとしてつけられる格安SIM事業者について見ていきましょう。
該当する主要な事業者とそれぞれのかけ放題の月額利用料、通話品質は以下のとおりです。
月額利用料 | 通話品質 | |
UQモバイル | 700円 | ☆☆☆ |
mineo | 850円 | ☆☆ |
OCNモバイルONE | 850円 | ☆☆ |
IIJmio | 830円 | ☆☆ |
BIGLOBEモバイル | 830円 | ☆☆ |
LINEモバイル | 880円 | ☆☆ |
イオンモバイル | 850円 | ☆☆ |
UQモバイル以外の6社は、いずれもプレフィックス方式を採用しているため、通話品質は☆2つ。
月額利用料の安さと通話品質でいえば、UQモバイルに軍配が上がります。
10分かけ放題で一番お得な格安SIM事業者は?
10分かけ放題がある格安SIM事業者のうち、一番お得なのはどこなのでしょうか?
ここでも、月間のデータ容量ごとの月額+10分かけ放題の合計で比較してみましょう。
主要な格安SIM事業者9社の、それぞれの合計月額は以下のとおりです。
通話 品質 |
3GB | 6GB | 9GB | 10GB | 12GB | 14GB | |
楽天 モバイル |
☆☆ | ー | 3,980 円 |
ー | ー | ー | 5,980 円 |
Y!mobile | ☆☆☆ | 2,680 円 |
ー | 3,680 円 |
ー | ー | 4,680 円 |
UQ モバイル |
☆☆☆ | 2,680 円 |
ー | 3,680 円 |
ー | ー | 4,680 円 |
mineo | ☆☆ | 2,360 円 |
3,040 円 |
ー | 3,980 円 |
ー | ー |
OCN モバイル ONE |
☆☆ | 2,330 円 |
2,830 円 |
ー | 3,730 円 |
ー | ー |
IIJmio | ☆☆ | 2,430 円 |
3,050 円 |
ー | ー | 4,090 円 |
ー |
BIGLOBE モバイル |
☆☆ | 2,430 円 |
2,980 円 |
ー | ー | 4,230 円 |
ー |
LINE モバイル |
☆☆ | 2,570 円 |
ー | ー | 4,100 円 |
ー | ー |
イオン モバイル |
☆☆ | ー | 2,830 円 |
ー | ー | 4,130 円 |
ー |
※mineoはau回線の月額料金。ドコモ回線は+90円、ソフトバンク回線は+440円
どの格安SIM事業者が一番お得かは、契約するプランによって異なります。
月間のデータ容量ごとの最もお得な事業者は、以下のとおりです。
最も安価な格安SIM事業者 | 合計月額 (月額料金+10分かけ放題の利用料) |
|
3GB | OCNモバイルONE | 2,330円 |
6GB | OCNモバイルONE イオンモバイル |
2,830円 |
9GB | Y!mobile | 3,680円 |
10GB | OCNモバイルONE | 3,730円 |
12GB | IIJmio | 4,090円 |
14GB | Y!mobile | 4,680円 |
ここでは、各プランで最もお得な事業者について紹介していきましょう。
1.「3GB」「6GB」「10GB」ならOCNモバイル
月間のデータ容量「3GB」「6GB」「10GB」では、「OCNモバイルONE」が最もお得となっています。
OCNモバイルONEはプレフィックス方式を採用しているため、通話品質は☆2つです。
2.「12GB」ならIIJmio
12GBでは、「IIJmio(アイアイジェイミオ)」が最も安くなっています。
さらにIIJmioでは、2019年12月時点で、12GBプランで契約した人向けのキャンペーンを実施中。
キャンペーンを適用した場合、6カ月間、月額料金が1,000円割引されます。
IIJmioもプレフィックス方式を採用しているので、通話品質は☆2つです。
3.「9GB」「14GB」ならY!mobile
9GBと14GBでは、UQモバイルとY!mobileが合計月額でも、通話品質でも並んでいます。
ただしY!mobileでは、最初の6カ月間は月額料金が700円割引されるうえ、9GBと14GBプランなら最初の1年は月間のデータ容量が3GBプラス。
そのため、Y!mobileの方がおすすめです。
通話品質にこだわらないなら!格安SIMで無料通話する方法
ここまで、格安SIMのかけ放題について説明してきました。
しかし通話品質にこだわらないのなら、オプションに加入せずに無料で通話することも可能です。
これらのアプリを使えば、オプションの月額利用料はもちろん、通話料もかかりません。
ただしLINEやSkypeでの通話は、データ容量を消費します。
そのため、自宅にWi-Fi環境がないのなら、あまり推奨できません。
自宅にWi-Fi環境がない場合は、ポケットWi-Fiと契約するのも一つの手。
ポケットWi-Fiを利用すれば、格安SIMのデータ容量を消費せずに済みます。
これなら月間データ容量の少ない安価なプランで格安SIMと契約できるうえ、無料で通話もできて一石二鳥です。
ポケットWi-Fiについて知りたいという人には、以下の記事が参考になります。
関連記事:ポケットWiFiの使い方をはじめからていねいに!誰でもできる完全ガイド
まとめ
格安SIMのかけ放題には、主に以下2種類あります。
- 時間制限なしのかけ放題
- 10分かけ放題
時間制限なしのかけ放題を使いたいのなら、Y!mobileがおすすめ。
Y!mobileは通常の電話回線を使用しているため通話品質が良く、かけ放題の利用料も加えた月額は、時間制限なしのかけ放題がある格安SIM事業者のなかでも最安です。
10分かけ放題では、月間のデータ容量に応じて、おすすめの格安SIM事業者が異なります。
データ容量ごとのおすすめは、以下のとおりです。
3GB | OCNモバイルONE |
6GB | |
9GB | Y!mobile |
10GB | OCNモバイルONE |
12GB | IIJmio |
14GB | Y!mobile |
これから格安SIMと契約して、かけ放題も利用したいという方は、ぜひこの記事を参考にして契約先を決めましょう。