3大キャリアに比べて月額料金がグッと安くなる格安SIMですが、これにはデメリットもあります。
それは、それまで使っていたキャリアのメールアドレスが使えなくなってしまうこと。
スマホでの連絡手段はLINEが中心になったとはいえ、LINEを使わない親やガラケーのユーザーに連絡するのにメールアドレスが必要という方は多いでしょう。
格安SIMに乗り換えたら、どのようにメールアドレスを取得すればいいのでしょうか?
今回はこんな疑問を持っている方のために、メールアドレスを無料で使う方法について解説。
この記事を読めば、簡単にメールアドレスを利用できるようになるので、ぜひ参考にしてください。
Contents
格安SIMで使えるメールアドレス2種+1
格安SIMで使えるメールアドレスは、以下3種類あります。
- フリーメールのメールアドレス
- 格安SIM事業者のメールアドレス
- SMS
ここでは、それぞれのメールアドレスがどんなものかについて説明していきます。
1.フリーメールのメールアドレス
格安SIMで使える1つ目のメールアドレスは、フリーメールのメールアドレスです。
フリーメールはその名のとおり、フリー(無料)で利用できるメールサービスのこと。
2.格安SIM事業者のメールアドレス
格安SIM事業者のなかには、契約者にメールアドレスを提供しているところも。
こうしたところと契約すれば、無料でメールアドレスが使用可能です。
メールアドレスを提供している格安SIM事業者については、後ほど紹介します。
【番外】SMS(ショート・メッセージング・サービス)
短いメールを送る場合は、「SMS」を利用する手もあります。
文字通り、短いメールを送受信できるサービスです。
SMSは厳密にはメールアドレスではなく、電話番号を利用してメールを送受信します。
格安SIMのプランは、大きく分けて以下3種類。
- データ通信
- データ通信+SMS
- データ通信+SMS+音声通話
このうち、「データ通信」を選択するとSMSが使えません。
SMSを使いたい場合は、「データ通信+SMS」以上のプランで契約するようにしましょう。
関連記事:格安SIMのショートメッセージ機能はつけるべき?SMSが使える通信事業者MVNOも紹介
格安SIMでフリーメールアドレスを使う4つのメリット
ここまで、格安SIMで利用できるメールアドレスについて説明してきました。
ここからは、フリーメールと格安SIM事業者、それぞれのメリットとデメリットについて説明していきましょう。
まずは、フリーメールのメリットについて紹介していきます。
フリーメールのメリットは、以下のとおりです。
- 無料で利用できる
- パソコンでもスマホでもメールができる
- 格安SIM事業者を乗り換えてもメールアドレス変更の必要がない
- 1つのアカウントで複数のメールアドレスを所有できる
ここでは、それぞれのメリットについて、1つずつ説明していきましょう。
1.無料で利用できる
フリーメールの最大のメリットはなんと言っても、無料で利用できること。
キャリアメールは無料に見えて、キャリアと契約しないと利用できない、有料のメールアドレスです。
2.パソコンでもスマホでもメールができる
フリーメールは、パソコンでもスマホでもメールを送信できます。
フリーメールはもともと、パソコンでメールをする人向けのサービスです。
パソコンを使って、ウェブブラウザからフリーメールのサービスにアクセスすることで、メールを確認したり、メールを作成して送信したりできます。
もちろん、スマホのウェブブラウザからでも、メールの確認や作成、送信が可能です。
さらに現在は、スマホ用のアプリもあります。
3.格安SIM事業者を乗り換えてもメールアドレス変更の必要がない
格安SIM事業者のメールアドレスには、@以降の「ドメイン」部分に各事業者の名前が入っています。
例えば、格安SIM事業者の「mineo(マイネオ)」のドメイン名は「@mineo.jp」。
mineoと契約した場合、メールアドレスは「任意の文字列@mineo.jp」です。
しかし、ここから契約先を「BIGLOBEモバイル」に乗り換えると、メールアドレスは「任意の文字列@biglobe.ne.jp」になってしまいます。
その点フリーメールなら、同じメールアドレスをずっと使い続けられます。
4.1つのアカウントで複数のメールアドレスを所有できる
フリーメールでは、1つのアカウントで複数のメールアドレスを所有することも可能。
この点は、キャリアのメールアドレスにはない、フリーメールならではのメリットです。
メールアドレスを複数所有して使い分けたいという人は、フリーメールを選びましょう。
格安SIMでフリーメールアドレスを使う2つのデメリット
ここまでフリーメールのメリットについて説明してきましたが、これには以下2つのデメリットもあります。
- 送信する相手の設定によってはメールを送れない
- サービスによっては登録できない
ここでは、これらのデメリットについて説明していきましょう。
1.送信する相手の設定によってはメールを送れない
フリーメールは、あくまで本来はパソコン用のメールです。
ガラケーやキャリアのスマホでは基本的に、迷惑メールを防ぐため、パソコンメールの受信を拒否する設定になっています。
この場合は、相手にメールを送れません。
ただし、相手に頼んで設定を変えてもらえば、メールを送れるようになります。
2.サービスによっては登録ができない
フリーメールアドレスは誰でも作れるがために、信頼度が低いのが難点。
この信頼度の低さ故に、登録にメールアドレスの入力が必要なサービスのなかには、フリーメールアドレスの入力が認められていないものもあります。
特にネット銀行などでは、登録時にキャリアメールの入力が必要なところもあるので注意しましょう。
格安SIMで使えるフリーメールのBIG2!
フリーメールのメリットとデメリットが分かったところで、具体的にどんなサービスがあるのか紹介していきましょう。
フリーメールのサービスは複数ありますが、利用するなら以下の2つがおすすめです。
- Yahoo!メール
- GMail(ジーメール)
ここでは、それぞれの特徴について説明していきます。
1.Yahoo!メール
Yahoo!メールは、Yahoo! JAPANが提供しているサービス。
Yahoo! JAPAN IDを作れば、簡単にメールアドレスを作成できます。
Yahoo!メールのスペックと、主な特徴は以下のとおりです。
ドメイン名 | @yahoo.co.jp |
メールボックス容量 | 10GB |
主な特徴 |
|
Yahoo!メールでは、開設した時点でのメールボックスの容量は2GBですが、使用状況に応じて最大10GBまで容量が拡張します。
2.GMail(ジーメール)
GMailは、Googleが提供しているサービスです。
Googleアカウントを開設することで、利用できるようになります。
GMailのスペックと主な特徴は、以下のとおりです。
ドメイン名 | @gmail.com |
メールボックス容量 | 15GB |
主な特徴 |
|
GMailのメールボックス容量は、Yahoo!メールより5GB多い、15GB。
迷惑メールを自動でブロックする機能があったり、「Google Drive(グーグル・ドライブ)」などのGoogleサービスとの連携ができるなど、機能性にも優れているのが特徴です。
格安SIM事業者のメールアドレスのメリット
フリーメールに続いて、格安SIM事業者のメールアドレスについても説明していきましょう。
ただし格安SIM事業者によっては、メールアドレスに月額使用料がかかるところもあるので注意しましょう。
メールアドレスが無料で使える格安SIM事業者については、後ほど紹介します。
格安SIM事業者のメールアドレスの+3つのデメリット
格安SIM事業者のメールアドレスには、フリーメール同様、以下のデメリットがあります。
- 送信する相手の設定によってはメールを送れない
- サービスによっては登録できない
格安SIM事業者のメールアドレスも、ガラケーやキャリアのスマホからはパソコンメールと認識されます。
そのため、メールを送った先の相手がガラケーやキャリアのスマホを使用していて、パソコンメールを受け取らない設定をしていた場合はメールが届きません。
また、登録にメールアドレスの入力が必要なサービスのなかには、キャリアメールのアドレスしか認めていないところもあります。
こうしたサービスには、格安SIM事業者のメールアドレスでは登録できません。
これらの点は、フリーメールのデメリットと同様です。
ただし格安SIM事業者のメールアドレスでは、上記に加えて、さらに以下3つのデメリットもあります。
- 格安SIM事業者の乗り換えのたびにメールアドレスが変わる
- スマホアプリがないところがほとんど
- 格安SIM事業者によってはメールアドレス使用に月額料金が必要
ここでは、これらのデメリットについて、それぞれ説明していきましょう。
1.格安SIM事業者の乗り換えのたびにメールアドレスが変わる
メールアドレスの@以降のドメイン名には、契約している格安SIM事業者の名前が入ります。
格安SIM事業者を乗り換えた場合、それまで使っていたドメイン名が使えなくなってしまうため、メールアドレスも変わってしまうのです。
2.スマホアプリがないところがほとんど
フリーメールのYahoo!メールやGMailには、スマホアプリがあります。
スマホアプリがあれば、メール受信時にスマホにプッシュ通知が来るため、すぐにメールを確認可能です。
しかし、ほとんどの格安SIM事業者のメールサービスにはスマホアプリがなく、ウェブブラウザでメールを確認する仕様になっています。
3.格安SIM事業者によってはメールアドレス使用に月額料金が必要
格安SIM事業者は国内に複数ありますが、全ての事業者がメールアドレスを提供しているわけではありません。
有料の場合、メールアドレスを使うために、毎月使用料を支払わなければなりません。
無料でメールアドレスを利用できる格安SIM事業者6社
無料で使えないのなら、格安SIMのメールアドレスを使うメリットはほとんどありません。
そのため、これから格安SIM事業者と契約してメールアドレスを利用したいという方は、無料でメールアドレスを提供しているところと契約するといいでしょう。
2019年12月時点で、契約者に無料でメールアドレスを提供している格安SIM事業者は以下の6社です。
- mineo
- Y!mobile(ワイモバイル)
- 楽天モバイル
- BIGLOBEモバイル
- OCNモバイルONE
- NifMo(ニフモ)
ここでは、各格安SIM事業者のメールサービスの特徴について説明していきます。
メールアドレスの利用にあたって、最もおすすめな格安SIM事業者は、「Y!mobile(ワイモバイル)」です。
Y!mobileはメールボックスの容量が無制限で、メールの保存期間も無期限。
Android限定ですが、スマホアプリも用意されています。
1.mineo(マイネオ)

mineoのメールサービスの主なスペックは、以下のとおりです。
ドメイン名 | @mineo.jp |
メールボックス容量 | 200MB→5GB |
メールの保存期間 | 60日間→無期限 |
スマホアプリ | なし |
mineoのメールボックス容量は200MB、保存期間は60日間となっています。
ただし「メールボックス容量追加」に申し込むことで、容量を5GBに、保存期間を無期限に拡張可能です。
容量を拡張しても、月額使用料はかかりません。
2.Y!mobile(ワイモバイル)

Y!mobileのメールサービス「Y!mobileメール」のスペックは、以下のとおりです。
ドメイン名 | @yahoo.ne.jp |
メールボックス容量 | 無制限 |
メールの保存期間 | 無期限 |
スマホアプリ | Androidのみ |
Y!mobileメールの利用には、Yahoo!JAPAN IDへの登録が必要。
Yahoo!メール(無料版)と違い、Y!mobileのメールボックスの容量は無制限です。
Y!mobileメールには、スマホアプリがあります。
ただしAndroid版しかないので、iPhoneユーザーは注意しましょう。
3.楽天モバイル

楽天モバイルのメールサービス「楽天メール」のスペックは、以下のとおり。
ドメイン名 | @rakuten.jp |
メールボックス容量 | 15GB |
メールの保存期間 | 無期限 |
スマホアプリ | Androidのみ |
楽天メールにも、スマホアプリがあります。
ただし、こちらもAndroid版しかないので、iPhoneユーザーは注意しましょう。
4.BIGLOBEモバイル

BIGLOBEモバイルのメールサービス「BIGLOBEメール」のスペックは、以下のとおりです。
ドメイン名 | @biglobe.ne.jp |
メールボックス容量 | 5GB→無制限 |
メールの保存期間 | 無期限→2か月 |
スマホアプリ | なし |
BIGLOBEメールのメールボックスの保存容量は5GBですが、無制限に変更することも可能。
ただしこの場合、無期限だったメールの保存期間が2か月に短縮されてしまいます。
さらに、一度設定すると元には戻せないので注意しましょう。
5.OCNモバイルONE

OCNモバイルONEのメールサービス「OCNメール」のスペックは、以下のとおりです。
ドメイン名 | @ocn.ne.jp |
メールボックス容量 | 10GB |
メールの保存期間 | 無期限 |
スマホアプリ | なし |
OCNメールの特徴は、セキュリティがしっかりしていること。
有料オプションに加入すれば、迷惑メールやウイルスメールをブロックしてもらえます。
6.NifMo(ニフモ)
NifMoでは、@niftyのメールサービス「@niftyメール」が利用可能です。
@niftyメールのスペックは、以下のとおり。
ドメイン名 | @nifty.com |
メールボックス容量 | 5GB |
メールの保存期間 | 180日間 |
スマホアプリ | なし |
@niftyメールの保存期間はもともと無期限でしたが、今から新規契約する場合は180日間になってしまうので注意しましょう。
格安SIMでキャリアメールをどうしても使いたいときの対処法
ここまで、キャリアメールに代わる、無料で使えるメールアドレスについて説明してきました。
しかしなかには、格安SIMに乗り換えても、キャリアメールをそのまま使いたいという人もいるでしょう。
その場合、有料になってしまいますが、以下の方法がおすすめです。
- キャリアメールが使える最安のプランでキャリアと契約
- キャリアに届いたメールをGMailに転送
この方法なら、今よりずっと安い月額料金でキャリアメールを利用できます。
ここで気になるのが、以下の2点ではないでしょうか。
- どれくらい月額料金が節約できるか
- キャリアメールをGMailに転送する方法
ここでは、上記2点について説明していきます。
どれくらい月額料金が節約できるか
ここでは、ドコモから「ドコモの最安プラン+楽天モバイル」に乗り換えたケースを想定してシミュレーションしていきます。
ドコモのキャリアメールが使える最安プランは、月額料金1,200円の「ケータイプラン(二年契約)」。
「ドコモのギガライト・5GB(定期契約あり)」と「ドコモのケータイプラン+楽天モバイル・データSIM(SMSあり)5GBプラン」の月額料金の比較表は、以下のとおりです。
ドコモ・ ギガライト・ 5GB (定期契約あり) |
ドコモ・ケータイプラン(二年契約)+ 楽天モバイル・データSIM(SMSあり) 5GBプラン |
||
ドコモ・ ケータイプラン |
楽天モバイル・ データSIM (SMSあり) 5GBプラン |
||
月額料金 | 4,980円 | 1,200円 | 1,570円 |
合計月額料金 | 4,980円 | 2,770円 |
このように、月間のデータ通信量が同じ5GBでも、ドコモの最安プランとBIGLOBEモバイルを組み合わせた方が、月額料金は2,210円も安くなります。
キャリアメールをGMailに転送する方法
キャリアメールアドレス宛てに届いたメールは、GMailに転送可能です。
ここでは一例として、ドコモメールをGMailに転送する方法について説明していきましょう。
①ドコモメールを開き、「クイック設定」の画面に移動する
まずはスマホでドコモメールのアプリを開き、画面を右にスワイプして「クイック設定」の画面に切り替えます。
②「dアカウント利用設定」をタップ
クイック設定のメニューのなかにある、「dアカウント利用設定」をタップしましょう。
③「dアカウントでドコモメール利用」に「利用する」を選択
ウェブブラウザが開き、ドコモのメール設定の画面に移動します。
ログインした後、画面を下にスクロールしていきましょう。
最下部に「dアカウントでドコモメール利用」という項目があるので、「利用する」にチェックを入れて、「確認する」のボタンをタップします。
④IMAP専用パスワードをメモ
ユーザー名(ドコモのメールアドレス)とIMAP専用パスワードが表示されます。
ユーザー名とIMAP専用パスワードは、この後のGMail側の設定で必要なので、メモしておきましょう。
⑤GMailのスマホアプリで右上のアイコンをタップ

今度はGMailのアプリを起ち上げ、画面右上にあるユーザーのアイコンをタップします。
⑥「別のアカウントを追加」をタップ

タブが表示されるので、「別のアカウントを追加」の文字をタップしましょう。
⑦「その他(IMAP)」をタップ

「アカウントの追加」の画面に移動するので、一番下にある「その他(IMAP)」をタップします。
⑧ドコモのメールアドレスとIMAP専用パスワードを入力

次の画面で、ドコモのメールアドレスと、先ほどメモしたIMAP専用パスワードを入力しましょう。
⑨「次へ」を2回タップして設定完了
入力が済んだら、画面の指示に従い、右下にある「次へ」のボタンを2回タップすれば、設定は完了です。
まとめ
3大キャリアから格安SIMに乗り換えると、キャリアのメールアドレスが利用できなくなります。
そのため、格安SIMに乗り換える場合は、以下のうちどちらかのメールアドレスを利用しましょう。
- フリーメールのメールアドレス
- 格安SIM事業者のメールアドレス
このうち、特におすすめなのはYahoo!メールやGMailなどのフリーメールです。
フリーメールは無料で使えるうえ、スマホアプリもあります。
スマホアプリがあれば、メールが届いたときにプッシュ通知が来るため、メールを見落とす心配がありません。
Androidのユーザーには、スマホアプリがあるY!mobileや楽天モバイルもおすすめです。
これから格安SIMに乗り換えるという方は、ぜひこの記事を参考にして、利用するメールアドレスや格安SIM事業者を選びましょう。